もう大人になったのに、親がいつまでも子ども扱いしてくるんです。
こっちからすると、親の方が子どもに見えるくらいなのに、過干渉で必要のないことを注意してきたり、正直うざいので何とかする方法はないですか?
今回は、こんな悩みにお答えします。
この記事の内容は次のとおり。
- 親がいつまでも子ども扱いする理由
- 過干渉な親の対処法
こんにちは、心理カウンセラーのJunです。
あなたも親から「子どもはいくつになっても子どもだ」みたいなセリフ聞いたことないでしょうか?
もう30歳、40歳にもなり、立派な大人なので、親がいつまでも子ども扱いしてくることは困りますよね。
ただ、純粋に自分の子どもだからという愛情表現ならいいですが、あれこれ世話をやいてきたり、指示を出してきたり、まるで自分のこを中学生の子どものように扱い続ける親にはあきれてしまいます。
なぜ、親はそんな扱いになるのか?
それには理由があります。
今回は、そんな親がいつまでも子ども扱いする理由と対処法について解説します。
自分のことを子ども扱いすることで、親に対してイライラしている人は、心がラクになりますので、ぜひご覧ください。
目次
親がいつまでも子ども扱いする理由
親がいつまでも子ども扱いする理由は、一言でいうと「人の第一印象はかわらない」からです。
つまり、親にとってあなたの第一印象は「世間知らずで自分ひとりでは何もできない、子ども」というものです。
親があなたのことについて考えるとき、この第一印象の延長線上で物事を解釈します。
第一印象はくつがえらない
第一印象は、心理学用語では「初頭効果(しょとうこうか):primacy effect」といいます。
初頭効果とは、「相手に関して最初に得た情報が、その後の相手の言動を解釈したり記憶したりするときに影響を及ぼすこと」です。
この初頭効果は強烈で、簡単に変えることはできません。
初頭効果の強烈さがわかるエピソードを1つご紹介します。
ある実験で、二人の子どもが30問の数学のテストを受けました。
A君は前半の15問のうち14問正解、B君は前半15問のうち6問の正解。
そして、後半の15問は前半とはまったく逆でA君は6問正解、B君は14問正解でした。
2人とも30問中20問正解という結果でしたので、数学の能力は同じという評価になるはずです。
しかし、まったくそうはならなかったのです。
何回調査しても、A君の方が優秀という評価になりました。
これはまさに初頭効果の力です。
前半の15問の結果だけを見て、A君が優秀という評価を結論づけてしまったので、そのあとどんなことが起きてもその評価は覆らなかったのです。
まったく不合理で理不尽な評価ではありますが、人間にとっての第一印象はこれほど強烈なのです。
よく「あの人は信用できない」と思っていると、その人が何をしても不信感を増したり、逆に「あの人は超いい人」と思っていると、言動のすべてがいい行いのように見えることってありますよね。
これも初頭効果のせいです。
人は認知をケチる生き物
そして、初頭効果を強める原因となる人間の特徴があります。
それが「人は認知をケチる特徴がある」ということです。
認知をケチるとは、つまり物事を必要以上に考えないということです。
心理学者のスーザン・フィスクとシェリー・テイラーがこの人間の特徴について「認知的倹約家」という風に名付けました。
人の身の回りには多くの情報があるので、それを1つ1つ偏りなく平等に解釈していたら大変です。
だから、自分の興味のあることや大切なことにだけ情報を収集したり、考えたりして、それ以外のことは詳しくは考えようとしません。
これは脳のエネルギー消費の観点からすると、すごく合理的です。
だから、1度判断したものは、それ以上詳しく調べたり、考えようとしないということです。
この特徴が、初頭効果とあいまって、より第一印象がくつがえらないことに強烈に作用しているのです。
結論:親がいつまでも子ども扱いするのは「初頭効果」と「認知的倹約家」のため
つまり、親がいつまでも子ども扱いするのは、初頭効果と認知的倹約家が作用しているためと言えます。
親にとって子どもは「世間知らずで一人では何もできない、自分が助けないといけない」という第一印象が強烈にあり、それがわらないため、子どもが30歳、40歳と大人になっても、子ども扱いし続けるのです。
過干渉な親の対処法
では、「世間知らずで一人では何もできない、自分が助けないといけない」という第一印象で必要以上に干渉して、子ども扱いしてくるうざい親にはどのように対処すればいいでしょうか?
親が過干渉でうざいと思っている人がするべき対処法としては、人間には「初頭効果」「認知的倹約家」という特徴があることを理解することです。
親に対して「いつまでも子ども扱いするな」と言っても、決して親がやめることはないので、無駄なエネルギーを使う必要はありません。
それより、「親、人間はそんなものかと理解して、相手にしない」、これが一番の対処法です。
もし可能であれば、親に「初頭効果」というのがあって、間違った認識をしているから直してくれない?と諭してみてもいいかもしれません。
しかし、高齢者になると自分の考えを変えるという発想を持つのが難しくなるので、「子どもが親に教えることはない」というような形で一蹴されることがほとんどだと思います。
だから、そんな過干渉で頑固な親と直接対面するより、一歩引いて、「また言ってるな」くらいに距離をとった方が自分の心がラクになります。
ぜひ、おためしください。