こんにちは、心理カウンセラーのJunです。
今回は、「こんな人間関係もうやってられない!と思ったときの対処法」をテーマにお話しします。
心理学の巨匠アルフレッド・アドラー(1870年~1937年)は、次のように述べています。
すべての悩みは、人間関係の悩みである。
学校や職場、家庭内での人間関係はもちろん、仕事やお金や健康についての悩みも根本原因を突き詰めれば人間関係の悩みであるということです。
それは、裏を返せば、人間関係に悩まなくなれば、すべての問題が解決し、幸せになれるということも意味しています。
つまり、人間関係を円滑にできるかどうかは、あなたの人生が良いものになるかどうか、というとても大きなテーマにかかわってくるもので、きちんと解決すべき問題です。
世の中で悩みの無い人はいません。
育った環境、親の価値観、年収、交友関係などバラバラだから、話が合わないのは当然です。
だから、あなたが人間関係に悩むのは当然のお話なんです。
もちろんですが、あなたがどういったことに悩んでいるか具体的なことは知りえませんので、それについてコメントすることはできません。(個別に相談は受けておりますので、ご相談のある方はお問い合わせからご気軽にどうぞ)
しかし、人間関係の悩みにはあるパターンがあり、パターンがあるからこそ解決法もあります。
そして、そのパターンを紐解いていくと、人間関係の本質的な問題が見えてきます。
そもそも私たちは人間でありながら、人間のことをよくわかっていません。
他人のことをわからないだけではなく、自分のことすらよくわかっていない部分がたくさんあります。
そういった本質的な部分を理解することで、人間関係を構築する上での理想のスタンスが見えてきます。
「この場合はこうする」といった場当たり的な対処法は、結局のところ、違うパターンの問題が発生したときには対処できません。
本質的な人間関係のスタンスがあれば、人間関係においてどのような問題がおきても対処していくことができます。
今回は、まず人間関係の悩みのパターンを知るところから始まり、「その裏にどういった心理があるのか?」という本質的なところまで紐解いていきます。
そして、その本質的な問題に対して、どういったスタンスで臨むのが良いかを見ていきます。
そうすることによって、真に効果のある人間関係の問題の対処法がみえてきます。
本質的な問題を解決することができいれば、確実に人間関係の悩みを減らすことができ、幸せに近づくことは可能です。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 1 人間関係の悩みの原因となる言動パターン
- 2 人間関係に問題を生じさせる言動の深層心理を分析(パターン別)
- 2.1 パターン1:「過剰な自慢をしてくる」人の心理
- 2.2 パターン2:「いばる。大きな声で威圧してくる。マウントをとってくる。理不尽なことを強要してくる。」人の心理
- 2.3 パターン3:「押しつけがましい(プレゼントをしたり恩を売ってくる)。」人の心理
- 2.4 パターン4:「不満や愚痴が多い。文句などネガティブ発言ばかりする。」人の心理
- 2.5 パターン5:「挨拶をしない。会話に参加してこない。無視する。コミュニケーションに消極的。」人の心理
- 2.6 パターン6:「人を見下している。上から目線。人を馬鹿にしている。」人の心理
- 2.7 パターン7:「皆のためと思って自分を犠牲にして我慢して、自分だけ損していると思う。」人の心理
- 2.8 パターン8:「他人の目を気にしすぎていて、自己主張しない。緊張しすぎる。」人の心理
- 2.9 パターン9:「他人の気持ちが理解できない。空気が読めない。」人の心理
- 2.10 パターン10:「自己中心的。協調性が低い。」人の心理
- 2.11 パターン11:「感謝を伝えない。」人の心理
- 2.12 パターン12:「相手に高いハードルを求めたり、強要する。」人の心理
- 2.13 パターン13:「言い訳をする。過ちを認めない。素直に謝らない。」人の心理
- 2.14 パターン14:「人間が嫌い。人を避けている。」人の心理
- 3 こんな人間関係もうやってられない!と思ったときの対処法
- 4 最後に
人間関係の悩みの原因となる言動パターン
人間関係の悩みについて、問題の原因となる言動をパターン別にみていきます。
相手に問題がある場合もあれば、自分に問題がある場合もあります。
そして、どちらか一方でも問題となる言動があれば、人間関係で悩みが生じてしまいます。
人間関係に問題が生じる言動パターン例
- 過剰な自慢をしてくる。
- いばる。大きな声で威圧してくる。マウントをとってくる。理不尽なことを強要してくる。
- 押しつけがましい(プレゼントをしたり恩を売ってくる)。
- 不満や愚痴が多い。文句などネガティブ発言ばかりする。
- 挨拶をしない。会話に参加してこない。無視する。コミュニケーションに消極的。
- 人を見下している。上から目線。人を馬鹿にしている。
- 皆のためと思って自分を犠牲にして我慢して、自分だけ損していると思う。
- 他人の目を気にしすぎていて、自己主張しない。緊張しすぎる。
- 他人の気持ちが理解できない。空気が読めない。
- 自己中心的。協調性が低い。
- 感謝を伝えない。
- 相手に高いハードルを求めたり、強要する。
- 言い訳をする。過ちを認めない。素直に謝らない。
- 人間が嫌い。人を避けている。
いかがでしょう?
ざっと、人間関係で問題になる言動をあげました。
どれも一緒にいると不快になるものばかりです。
では、なぜこうした不快になる言動をしてしまうのでしょうか?
次は、こういった人間関係に問題を生じさせる言動をする深層心理について分析していきます。
人間関係に問題を生じさせる言動の深層心理を分析(パターン別)
問題となる言動の深層心理を1つずつみていきます。
パターン1:「過剰な自慢をしてくる」人の心理
過剰な自慢をしてくる人はどういった心理でしょう?
自慢は、ほとんどが本当の自分より大きく見せたいと思ったときにおこす行動です。
例えば、子どもは自転車に乗れるようになると嬉しくて自慢するかもしれませんが、当たり前に自転車に乗れている人が自転車を乗れることを自慢することは、自慢にはなりませんよね。
つまり、以前の自分より大きくなった自分を感じたときに、自慢したいという衝動があらわれます。
そして、自慢することで、「自分はこんなことができて素晴らしい人間だ」ということを感じたいのです。
言い換えると、承認欲求を満たしたい行動だといえます。
自慢という行為を通じて、他人に自分を認めてもらおうとする行為。
それが自慢をする人の心理です。
そして、これは、自分で自分を認めることができていない人に多い行為です。
他人に認めてもらわないと自分を肯定できない。
他人に依存している人だということもできます。
だから、自慢をしてくる人がいたら、自分で自分を肯定できない、自尊心が低い人だということができます。
パターン2:「いばる。大きな声で威圧してくる。マウントをとってくる。理不尽なことを強要してくる。」人の心理
次に「いばる。大きな声で威圧してくる。マウントをとってくる。理不尽なことを強要してくる。」人の心理はどういったものがあるのでしょうか?
これも、自分の価値を確認するための行動だといえます。
「他人より自分の方が優れている」ということを確かめたくて行っている行為です。
いばったり、大きな声で威圧することで、相手がひるんだり、目を背けたりすることで、満足します。
そういった方法でしか自分の価値を実感できない悲しい人だということもできます。
自分で自分の価値を認めることができていないから、他人を利用して自分の価値を認めようとしています。
もしかすると一見、自信満々で人間力のレベルが高いといったイメージがあるかもしれませんが、本当に自信がある人は、わざわざいばらなくても静かに自分の価値を自分で確認することができます。
他人にマウントをとらなくても、自分で価値を見出すことができます。
そういった自分には価値があるとわかっている人は、他人に対しても優しく振舞います。
だから、いばったり威圧してくる人は、とても臆病で自分に自信がない人だといえます。
パターン3:「押しつけがましい(プレゼントをしたり恩を売ってくる)。」人の心理
プレゼントを贈る場合、その目的は人によって3パターンの違いがあります。
1つは、純粋に感謝の気持ちを形で表現する場合。
2つ目は、相手に自分の要求をのませようという下心で恩を売ろうと魂胆がある場合。
そしてもう1つが、自分はこういうプレゼントをあげることができる価値ある人間だということを確認する行為。
言うまでもなくプレゼントは純粋に感謝の気持ちを形で表す場合が、あるべき姿ですが、その影に隠れて2つ目や3つ目の心理が働いている場合があります。
2つ目の相手に要求をのませようと下心がある場合ですが、心理学では人間には返報性の心理という、何かもらうとかえさないといけないと考える心理があるとされています。
それを逆手にとり、相手をコントロールしようとする行為です。
男性が女性にものを貢いだりする行為がこれにあたります。
3つ目の、プレゼントを通して自分の価値を確認しようとする行為、これが一番厄介です。
パターン4:「不満や愚痴が多い。文句などネガティブ発言ばかりする。」人の心理
不満や愚痴が多い人の心理は、周りの他人を悪者とすることで、相対的に自分を正当化しています。
自分はそのままでも、他人が下がることで、結果、自分は上がるという発想をしています。
人間は本来、「優越性の追求」といって、理想を追い求めて努力する習性があります。
無力な状態で生まれた赤ん坊が何度こけても起き上がってチャレンジするように、「理想に向かって努力する」ことは本能的にそなわっています。
しかし、成長するにつれて、努力しても思うような結果が得られないことを経験することで、努力をあきらめてしまうことがあります。
不満や愚痴を言う人は、まさに人生をあきらめてしまった人といえます。
パターン5:「挨拶をしない。会話に参加してこない。無視する。コミュニケーションに消極的。」人の心理
人間関係に消極的な人は、過去に人間関係において自尊心が傷ついた経験をしています。
そういった経験をすることで「人間関係=自尊心が傷つく」という認識のもと、傷つかないように自分を守っているのです。
行動すると失敗するかもしれない。と考え、行動しないことで失敗を防いでいるという発想です。
またこういうタイプの人は、「自分は自分、他人は他人」という考えができていないともいえます。
他人が何を言おうが自分はかわらない、他人の評価ではなく、自分の評価は自分でするという考えをもっていると、自尊心が傷つくことを恐れる必要はありません。
パターン6:「人を見下している。上から目線。人を馬鹿にしている。」人の心理
これもパターン4の「不満や愚痴や文句を言うタイプ」と深層心理では同じです。
他人を下に下げることで、優越感を感じたいと考えています。
パターン7:「皆のためと思って自分を犠牲にして我慢して、自分だけ損していると思う。」人の心理
こういうタイプの人の深層心理は、「私は幸せになる価値がない人間だ」という自尊心の低さにあります。
「自分だけが損する状態」に慣れていて、そんな状態に一種の安心感を頂いているタイプです。
そのため、自分が損するような選択を無意識的に選んでしまいます。
また、他人の気持ちがわかりすぎるタイプ、HSPや繊細さんといわれるタイプの人にも多い言動です。
他人の気持ちにも敏感なため、他人が不幸な状態を差し置いて自分だけ幸せになるという選択をすることに罪悪感を感じてしまいます。
気づいてしまったからには、対処しないと気が済まないという状態になるので、つい他人を優先してしまいます。
パターン8:「他人の目を気にしすぎていて、自己主張しない。緊張しすぎる。」人の心理
このタイプの人は、「自分の存在価値を評価するのは、他人だ」という考えが根底にあり、自尊心の低いタイプです。
また、他人の気持ちがわかりすぎる、HSPや繊細さんにも多い言動です。
人数が多ければ多いほど、考え方や意見の数も増えますが、それぞれの人の考えや気持ちを敏感に察してしまいます。
そのうえで、全員が納得する答えは何か?を考えようとして、主張に時間がかかってしまいます。
自分の意見や考えはあっても、それを表に出したときに、不都合になる人がいると考えるとなかなか発言もできません。
そういった姿は周りからすると「自己主張しない人」というレッテルをはられ、発言するような場に苦手意識を持つようになり緊張するようになります。
パターン9:「他人の気持ちが理解できない。空気が読めない。」人の心理
他人の気持ちを理解しようとしても理解できない場合、
こういう発言をしたら相手が傷つく、または喜ぶなどどういう感情になるか予測ができないタイプです。
ほとんどの場合、人間関係の経験不足が原因です。
そして、だいたいの場合、幼少期に育った家庭の環境が影響しています。
親が社交的でなく、友だちの集まりや親族の集まりにも参加しないような環境で育つと、人間関係の構築の仕方を学ぶ機会がその分少ないということになります。
十人十色という言葉があるとおり、人によって考え方や意見はさまざまあるということを身をもって体験する機会がないと、他人の気持ちを理解するのは難しくなります。
しかし、他人の気持ちをそもそも理解する気がない自己中心的な人はまた別です。
パターン10:「自己中心的。協調性が低い。」人の心理
他人との協調性が低く、自己中心的な人は、人間関係を「競争の軸」で見ています。
勝つか負けるかの世界観の中で、自分が勝つことを考えた結果、自分中心な態度をとります。
また、そもそもIQが低くて、何も考えていないという場合もあります。
他人の気持ちを推し量ったり、未来を予測する頭がそもそもない場合、他人のことまで考えることができないので、本人は意図してそういった言動をしていなくても、結果として自己中心的な態度をとることになります。
未就学児の子どもを見ると、感情の赴くままに言動をしているので、自己中心的に感じることがほとんどです。
大人になっても協調性が低い場合、精神的な成長が周りより遅い可能性があります。
パターン11:「感謝を伝えない。」人の心理
「感謝」は豊かな人間関係構築のための潤滑油になります。
感謝は、感謝することで、感謝した本人の幸福度をおしあげる効果もあります。
また、人から感謝されると、貢献感を感じることができ、自分の価値を深いレベルで感じることができ充実感を得ることができます。
そんな感謝をしない人の心理は、感謝の大切さを理解していないことが1つの原因です。
好意を受けたら感謝するという人間関係の基本的なルールを学んでこなかったことが考えられます。
また、感謝の大切さは知っているけど、その人との人間関係を構築したくなくてわざと感謝をしない場合もあります。
この場合、好意を与える側に問題がある場合もあります。
パターン3の押しつけがましい好意にあったように、単に自分自身の自尊心を満たすためという目的でプレゼントしたりしていると、もらった人はそれが不要で家に置いておくにも邪魔になるだけで、迷惑と感じる場合もあります。
そんなときには感謝の言葉は素直にでてきません。
パターン12:「相手に高いハードルを求めたり、強要する。」人の心理
正義感が強かったり優秀な人にこういう傾向がみられます。
そこには「自分もできるから他人もできる」という勘違いがあります。
人は経験や知識もばらばらで、得意なこと不得意なことも人それぞれです。
そういうことを理解しないことは、自己中心的な考えの持ち主ともいえます。
それから、パワハラにあたる場合です。
例えば職場なので、嫌いな人をやめさせようとするとき、精神的に追い詰めようと高い目標を課す場合があります。
また、ブラック企業の場合、大量に採用し、そもそも無理な目標をかかげることでふるいにかけ、それでも働き続ける人を探しています。
無理な目標でもがんばる人は、何でも命令をきいて企業としても使いやすい人物です。
このような企業は人をコマの1つにしか考えていないので、評価制度もあいまいで、給料もできるだけ安い状態で雇うことを考えているのが特徴です。
パターン13:「言い訳をする。過ちを認めない。素直に謝らない。」人の心理
人は、自分が間違っていると認めると、自尊心が傷つくので、基本的に「自分が正しい」と考えます。
そもそも「自分が間違うはずがない」という前提があるので、自分に非があったとしても、非があること自体に気づいていない場合があります。
そんな人の中心にある考えは「自分さえよければいい」という考えです。
もし、自分だけでなく、相手や周りの利も一緒に考えるのであれば、その視点からみて不適切かどうかは判断できます。
しかし「自分の利益」が最優先なので、自分は絶対に正しいという考えをまげません。
また、自分の方が悪いと知りつつも、口論している場合など、怒りの感情にまかせて相手の言い方が気に入らないから誤らない、という場合もあります。
この場合、非を責めている側も語気が強すぎないかなど気をつける必要があります。
必要以上に相手を追い込むべきではありません。
人は誰でも失敗するし過ちはおかすものです。そのことを考えて次から改善するのであれば良しとした方が、無駄な怒りのエネルギーを使わずにもすむし、相手のも良好な関係を築くことができます。
パターン14:「人間が嫌い。人を避けている。」人の心理
過去の経験から感情的な偏見が凝り固まった状態といえます。
過去に誰かに嫌なことをされたり、他人に傷つけられた経験が多ければ多いほど、「人間=自分に害を加える」というレッテルを張るようになります。
これは人間嫌いだけではなく、人はモノを見るとき、過去の経験から当てはめて理解しようとする特徴があります。
それは、脳のリソースを節約するためです。
いつも通る道、通勤、通学路など、今日どんな変化があったか?と聞かれても答えることができないことのように、人はすでに知ってるもの考えないようにする傾向があります。
誰か新しい人に出会ったときに、芸能人のだれだれに似ているといったことを考えるのも、同じことといえます。
このように1度理解したことは固定化される傾向があります。
だから、人間が嫌いというのは、過去の経験を固定化し、そのフィルターを通して世の中を見ているから起きる現象です。
そして、人は自分が考えてることは、考えてる通り実現することを望む傾向があります。
だから、人間が嫌いだと思っている人は、これから出会うまったくどういう人物かしらない人に対しても、「自分が嫌いな言動をしてくれ」と心の奥底では願ってしまいます。
そして、その視点にみているから、嫌なところが発見でき、やっぱり嫌な人だという結論をつけます。
過去にあったことが未来も同じことになるとは限りません。
まずはそういったレッテルを張ってしまっているというは偏見なのだと気づくことが大切です。
こんな人間関係もうやってられない!と思ったときの対処法
人間関係で問題がおこる場合をパターン別にみてきましたがいかがでしたでしょうか?
これらのパターンには、ある共通の特徴があります。
その特徴をまとめると次の通りです。
人間関係で問題がおこる原因まとめ
- 自信がない(自分の自尊心が傷つくのを恐れている)
- 自分の利益を優先(人間関係を競争ととらえ、優越感など自分の利益を優先している)
- 失敗を恐れている(失敗を恐れチャレンジしない)
- 偏見が凝り固まっている(自分の正しさの世界だけで生きている)
- 人間関係構築の勉強をしていない
いかがですが、人間関係の問題が大分見えてきたのではないでしょうか?
これらの共通点をさらに、一言でまとめるとこうです。
「自分が正しい」ということを絶対的に信じ、それを守るため、時に逃げ、時に攻撃し、あらゆる手段を講じる。
この一文に集約されると思います。
人は「自分が正しい」ということを何よりも守りたいと考えています。
命の次に大事といっても過言ではありません。
心理学の3大巨匠の1人、ジークムント・フロイトは、人間の行動の動機は「名誉欲」と「性欲」の2つの動機からなるといいました。
「自分が正しい」ことを守るのは、まさに名誉欲です。
また、デール・カーネギーの『人を動かす』で引用された有名なアメリカの死刑囚の話では、凶悪な犯人が最終的に電気椅子に送られたとき語ったのは「これは人を殺した報いだ」ではなく、「これは自分を守った結果だ」といったといいます。さらにシンシン刑務所のルイス所長は「自分を悪人だと考えている犯罪者は滅多にいない。犯罪者は自分を一般人と変わらないと考えてるし、巧みに自分を正当化し、言い訳する」と語っています。
犯罪という客観的などうみても間違いない悪であっても、本人は「自分は正しい」ということを絶対的に信じているのです。
だから、人間関係においてはこの事実「人は自分を正しいということを絶対的に信じている」という事実を忘れてはいけません。
2ちゃんねる創設者で日本で論破力で右にでるものがいないといわれる、ひろゆきさんはとてつもなく完璧な正論を語ります。
語る内容に自分の個人的な考えはなく、客観的なデータ・事実に基づく情報から論理だてて話されているので、論争した相手は打ち負かされてしまいます。
それは、その人が個人的な感情や考えに基づいた意見が出た瞬間に、話に根拠がなくなるため、正論から外れ、論理で負けるからです。
でも面白いのが、完璧に正しさを追求しているのもかかわらず、相手は納得せず、逆切れして腹を立てたり、自分の負けを認めないことがあります。
それは、やはり、論理の正確さに関係なく「まず自分は正しい」という偏見があることを裏付けされているといえます。
こういったことからも、論理がどんなに正しかろうが、相手が法律に違反して犯罪者となろうが、関係なく、自分は正しいということは曲げないという人間の特性があるということです。
そうなれば、答えは1つです。
そこから、人間関係において1番守るべきルールが導き出されます。
それは
相手を批判しない。自分の正しさを押し付けない。
ということです。
これが人間の本能にしたがった、合理的な結論です。
このルールを守れば、人間関係はうまくいきます。
ただ、1つ補足があります。
このルールの前に、そもそも相手とする他人と有効な人間関係を作りたいかどうかが前提になります。
そもそも相手と人間関係を構築したくないのであれば、相手を批判しようが、自分の正しさを押し付けようが、構いません。
世の中には犯罪を犯したり、悪い人もいます。
そういった人たち全員と友好関係を結ぶ必要はないし、物理的にも全員と知り合うこと自体不可能です。
そうではなく、身近で大切にしたい家族や友人、学校や職場の人たちとの人間関係を円滑にするためには、このルールが有効になります。
最後に
「こんな人間関係もうやってられない!と思ったときの対処法」というテーマで解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
対処法の結論としてはとてもシンプルなものになりました。
結論
相手を批判しない。自分の正しさを押し付けない。
心理学では、返報性の原理(法則)といって、人は他人からしてもらったことは同じようにお返ししたくなるという法則があります。
だから、まず自分がやることです。
自分が先陣をきって「相手を批判しない。自分の正しさを押し付けない」という態度をとれば、相手も同じような態度をとるようになります。
つまりは、人間関係を良くするのも、悪くするのも自分次第ということです。
友好関係になりたいのであれば、その方向に努力すればいいし、関係を切りたいのであればさっさと切ればいいんです。
その選択は常にあなたにあります。
どちらにしても無理はいけません。
ストレス過多でうつ病になったり、体調不良になるくらいまで、自分を犠牲にして我慢する必要はありません。
さきほど返報性の法則のお話をしましたが、ときにはこちらが友好関係を築こうと努力しても、恩を仇で返すような卑怯な人もいるかもしれません。
そんなときは、あきらめるのも1つの手です。
知り合いが多いことが素晴らしいことといった考え方がありますが、これはあきらかに間違った考え方です。
知り合いの人数で競ったり表面的な関係を重視するのではなく、本音で語り合い、理解しあえる関係を1人でも築くことができればそれはすばらしいことです。
ぜひそういう関係をめざしてください。
ご自身の体調やメンタルを守ることを第一に、良好な人間関係が築くことができれば、幸せな人生を送ることができるようになります。
この記事が、あなたの人生に貢献できていればとてもうれしいです。
以上です。