みなさん、こんにちは、心理カウンセラーJunです。
今回は、「幸福度」を大きく左右するのは「お金」より「自己決定感」というお話です。
目次
「幸福度」を左右するのは「お金」より「自己決定感」
幸せになるために必要な要素は、お金、健康、人間関係などいろいろありますが、「自己決定感」を持っているかどうかも幸福度に大きく影響ができることがわかっています。
2018年、神戸大学の西村和雄教授と同志社大学の八木匡教授がに日本国民2万人に対して幸福度のアンケート調査を行いました。
その結果、所得や学歴よりも「自己決定感」があるかどうかが幸福感に強い影響を与えているが判明しました。
どれくらい影響するかというと、所得に対して約1.4倍、学歴に対しては約8.6倍も「自己決定感」が影響するという結果となっています。
つまり、お金より自己決定感の方が、幸福度に対する影響力が大きいということがいえます。
お金よりも自己決定感の方が幸福度に影響するとは意外ですよね。
次に、自己決定感の重要性について、心理学の視点で解説します。
自己決定感の重要性
幸福の研究で有名なソニア・リュボミアスキーの研究によると、幸せは3つの要素の足し算だといわれています。
それがこちらの公式です。
幸福の公式
H(100%)=S(50%)+C(10%)+V(40%)
Hは、Happinessの頭文字で、幸福のことです。
Sは、Set range(あらかじめ設定された範囲)の頭文字、自分ではコントロールできない生まれ持っての遺伝子レベルの素質という意味です。
Cは、Circumstances(生活環境・環境)の頭文字、家庭や友人、同僚などの人間関係、仕事に収入、所有物など自分がおかれている生活環境という意味です。
Vは、factors under Voluntary control(自発的にコントロールできる要因・意図的な行動)のVで、自分の意志や行動によって変えることができるという意味です。
幸福度は、持って生まれた素質や環境によって、使えるお金や受けられる教育、付き合う人間関係にも大きく影響をあたえますが、40%の部分、この中で「V」の部分は自分で変えていける部分で、幸福度を唯一コントロールできる部分といえます。
つまり、自分で人生の選択を自由にしていく人は、この40%の部分が高いですが、誰かに決められた人生を歩む人は、この40%の部分が低く、幸福度も低くなるといえます。
このように自己決定感が幸せに及ぼす影響は心理学的にも大きいようです。
では、日本人の自己決定感の傾向はどのようになっているでしょうか?
日本人の「自己決定感」は高いの?
自己決定感とは、学校の進路や就く職業、結婚、仕事の内容など人生における選択肢を自分の意志で選んで決定できると思っているかどうかです。
いいかえると「人生における選択の自由が高いこと」とも言うことができます。
実は、日本人の「人生の選択の自由」、つまり「自己決定感」は低いといわれています。
そして、それが幸福度にも影響しているといわれています。
国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」が毎年発表している「世界幸福度報告書」を見ると、世界の国の幸福度ランキングがわかります。
2020年版の「世界幸福度報告書」の幸福度ランキングで、日本は62位となっています。
実は、毎年少しずつ下がっている傾向にあり、2019年は58位、2018年は54位・・といった具合です。
この幸福度を下げている要因の1つとして「人生の選択の自由」があげられています。
つまり、日本が幸福度が低いのは「人生を自由に選択できない状況」が原因と考えられます。
自己決定感を高めるには?
では、自己決定感を高めて、幸福になるにはどうしたらいいでしょうか?
まずは「自分で決めること=めんどくさい」の壁を乗り越える
自己決定感を高め、自分で何でも決めていくというのは、めんどくさいことでもあります。
たとえば、会社で働いていてマニュアル通りに行う単純作業はおもしろくはないですが、かなりラクです。
また、たとえば夕飯のメニュー1つをとっても、「何食べようか」と考えるより、作ってくれる人に「何でもいいよ」と伝える方がラクです。
このように「自分で決めること」は「頭を使うこと」なのです。
人の脳はとにかくラクをしようとする傾向があります。
しかし、自分で決めないということは、周りの他人にいいように利用されることになり、結果、自分がやりたくない仕事をさせられたり、興味のないことに付き合わされたりしてしまいます。
幸福になりたいのであれば、自分のやりたいことをすることは大事です。
人は本来「自己決定」したい願望を持っている
アメリカのロチェスター大学の2人の心理学者、エドワード・デシとリチャード・ライアンが作った「自己決定理論(self-determination theory)」によると、人間は本来「自律性」といって「自分の行動は自分で決めたい欲求」を持っているといいます。
しかし、年齢をおうごとに環境の影響なども加わり、自分で決めることのモチベーションがもてなくなっていきます。
それは、つまらない反復作業を強制的にさせれたことがきっかけかもしれないし、厳しい親や教師のもと意志を無視され管理・強制されることで失われたかもしれません。
しかし、本来持っている願望であれば、呼び戻すことはできます。
そのためには、自分がいま、日々行っていることに目を向け、そのなかで「やらされている」と感じることを洗い出してみてください。
もし、やらされていると感じることが多いなら、少しずつでいいので減らすことやってみてください。
やらされていることを減らすことで空いたスペースには「自分がやりたい」活動をするようにしてみてください。
このように「自分がやりたい」と思う活動を実際にやるうちに、人間本来の「自分の行動は自分で決めたい」という願望(自律性)を取り戻すことができます。
まとめ
最後にまとめです。
今回は、今回は、「幸福度」を大きく左右するのは「お金」より「自己決定感」というテーマでお話しました。
まず、幸福度はお金より自己決定感が大きく影響しているということ。
そして、日本人は自己決定感が低いことが幸福度を下げる要因になっているということ。
自己決定感をあげるには、やらされている活動を減らすということ。
以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは~