IQが高いと不安になりやすいという研究結果が3つあります。
参考記事:新しいリサーチは社会不安を高いIQ、共感能力、そして知性と関連付けます(by「HIGHER PERSPECTIVES」)
1つ目はカナダのレイクヘッド大学の研究で、「不安障害のある人は、不安を報告していない人よりも言語知能テストで高いスコアを記録した」というもの。
2つ目はニューヨーク州立大学ダウンステート・メディカルセンターでの研究で 、「重度の不安を持つ人々は、不安に苦しんでいない人々よりも高いIQを示した」というもの。
3つ目はイスラエルのハイファ大学心理学部の研究で、「社会不安を持つ人々の共感傾向を調べ、精神的高揚と共感能力の高まりを発見した」というもの。
これら3つの研究の共通点は「高IQの人は不安症になりやすい」ということです。
高IQの人は、普通に生活していても多くのことに気づいてしまいます。それは、他人の心の状態への注意にも使います。
そういう理屈です。
そうした気づき過ぎる特徴は問題解決などプラスに働くこともあれば、不安におそわれるというマイナスに働く場合もあります。
SADまたは社交不安症、社会性不安障害、という言葉をご存じでしょうか?
あがり症、赤面症、対人恐怖症、多汗症、吃音症などともいいかえられるこの病気。
極度の緊張によって手足の震えや動悸などで社会生活に支障をきたす場合になります。
こういった人は、IQが高いがゆえに、気づき過ぎる性格から不安におちいりがちというのです。
もちろん100%全員があてはまるわけではなく、あくまでも傾向の話だと思います。
しかし、これはすごくもったいないことだと思いませんか?
もっと違うところにその能力を活かせれば、もっといい世の中になるのではないだろうか。
2019年に売れた本で「天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ 」というものがあります。
世の中には「天才」と「秀才」と「凡人」がいる。三者の間にはコミュニケーションの断絶がある
本書はこういったテーマで書かれたものですが、この記事があつかっている「高IQの人は不安症になりやすい」というものに通じます。
アドラーを有名にさせた嫌われる勇気では「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と説いています。
そして、高IQは人口の2%ほどといわれていて、少数派です。
これらをつなげると
「問題に気づき過ぎる敏感な高IQ者は少数派で、コミュニケーションの弊害が多く、人間関係に悩みが多いが理解者が少ないため心を病む」
高IQ者は少数派です。
だから、問題視されない。
問題視されないことが問題になっています。
いつだって、民主主義では多数が優先されます。
一方で少数を切り捨てることは民主主義の欠点でもあります。
ここでもしかしたら「いろいろ気づけて頭がいいなら、心を病まない方法に気づけよ」と思うかもしれません。
それはごもっともだと思いますが、実際は、プラスのことに気づく以上にマイナスなことに気づきするのです。
その理由は人間の本能にあります。
人類の歴史は10万年。
情報機器が発達して、多くの人とコミュニケーションが可能になったのはここ十数年です。
それまでの長い期間人類は限られた人数の中での生活の営みを最適化してきました。
ほとんどの期間は狩猟時代です。
そのときの大切な習慣が本能として刻まれているのです。
狩猟時代、一番大切なことは「生き延びること」です。
だから「危険を察知し、回避する」という能力が最重要でした。
だから、ネガティブなことに人間はすごく敏感なのです。これはネガティブバイアスといわれたりもします。
それから、「集団に属すること」が重要だということも本能に刻まれています。
狩猟時代はグループで生活しないと死ぬ確立が高まりますから。
そして、「よりいいもの、もっとたくさん」という意識も狩猟時代からあります。
だから、人間は本来プラスよりマイナスのことに多く気づくものなのです。
それでも、高IQでも気づき過ぎる特徴を問題解決などプラスに働かせて活躍している人のも事実です。
最近読んだ本で面白かったのが、オードリーの若林正恭が書いた「ナナメの夕暮れ」。
これを見ると、若林自身が気づきが多くて周りに理解されず生きづらさに苦しんだことが書かれています。
本人は「生き方音痴」だといいながら、自身が高IQだとかそんな言い方はしていませんが、活躍をみてると間違いなく頭がいいのは誰も否定しないのではないでしょうか。
そもそも図ったこともないし知らないのかもしれませんが、考えすぎることが、お笑いのネタに昇華しして活躍しています。
若林に限らず、お笑い芸人で活躍してる人ってIQが高い人がおおく、それをプラスに働かせているのだと思います。
さきほど、SAD、社交不安症をあげましたが、そこまでではないが、常に不安になりがちな性格の人がいると思います。
HSPと呼ばれる人がいます。
ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)の略で、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」のことです。
不安症などの病気ではないけど、疲れやすいなどの特徴をもっています。
この人たちは人口の20%(5人に1人)が該当するといわれています。
高IQの人たちが2%なのに対して、多いですが、きっと先ほどあげた3つの研究から推測すると、HSPの人たちもIQテストは高得点とると思います。
なぜなら、知能指数は、気づきの多さとも言い換えれるためです。
また、不安なことで心を病むことで、SAD、社交不安症とならずに強迫症やパニック症などになるかもしれないとも思います。
専門家ではないので名言はできませんが、共通するところはあるのではないでしょうか。
ちなみに、アメリがではすべての心理的障害の中で、不安症は最も一般的なものです。
人口の約18%(4000万人)がこの障害に苦しんでいます。
社交不安症は特に人口の7%(1500万人)近くに影響を与えます。
日本のデータではありませんが、一見陽気な人が多そうに見える国でも実はこれだけ心を病んでる人が多いのです。
しかも、年々増えているというデータもあります。
日本ではもっと多いんではないでしょうか。
けど、なにもこういったネガティブな話をするためにこの記事を書いているわけではありません。
気づく過ぎて、敏感で苦しんでる人は、それをプラスに活かすこともできるということです。
そして、その特徴を裏返せば、IQが高いということ。
これはものすごくポジティブな発見です。
プラスに活かすには、「自分がどんなことをやりたいか」、自分の興味、才能、価値観など自己探索し、自己理解することが必要です。
そうすれば、豊かな人生が近づくものと思います。
自己理解については今後このサイトで詳しく解説していく予定なので楽しみにしてください。